2012年6月4日月曜日

ギリギリアウトかもしれない異世界 - 第25話 「愛 の 味」



 夢を見た。
 それはとても幻想的で、酷く現実的で。
 悠久の時を刻む様な、刹那の幻の様な。
 そんな夢を。

 霞がかった様な視界の先には、淡い光に包まれた女性の姿があった。腰まで届きそうなフワッとした桃色の髪が印象的な美人である。前髪で大半が隠れてしまっているが、そのシュッとした眉からは気丈さが伺え、パッチリとした大きな鳶色の目は慈愛に満ちている。落ち着きのある紅を纏った唇は、アウレナの紅通りを思い出させ、その微笑は見る者全ての心を奪うのではなかろうか。
 言葉で表現する事が困難な、これ程までに美しく整った顔は見たことが無い。
 さらに、その美貌もさることながら、彼女の体は胸や腰、足元等の必要最低限しか衣服は纏っていないため、煽情的で妖艶だった。

 俺は当然の如く目の前の人物を食い入るように見ていた。夢だという意識はあるが、体は自由に動かない。いや、動かそうと思っていないのかもしれない。
 そんな俺を見た彼女は満面の笑みを浮かべ、その柔らかそうな唇を動かした。

「初めまして、エルリン! いきなり出てきてごめんね」

 芯から癒されるような優しく明るい声は心に響く。
 挨拶をされたのだから、こちらもしっかりと挨拶すべきだろうが、口は全く動かない。しかもこれが夢だからなのか俺の思考はとても鈍く、与えられる情報を受け取るぐらいにしか働かない。

「今日、エルリンは私の事を詩に詠んでくれたよね?
 今までたぁーっくさんの人が私を詩にしてくれたけど……私……あんな風に詠われたの初めてだった……」

 俺の返事を待たずに発せられたやや高めの声はとても恥ずかしそうに聞こえ、当の彼女は両手で顔を覆い右へ左へ振っている。顔を覆う手の隙間から覗く頬は心なしか赤らんでいる様に見えた。その姿・仕草はとても愛らしく、俺はグリグリと心をえぐられる。

「とっても胸に響いたの! あんなに感動したことはないわ! 本当に、本当に、心の底から嬉しかった!
 ……それで私、決めたのよ! エルリンを旦那様にするって!」

 突拍子も無い事を言われているが、喋る事は勿論、指一本動かせない俺は、それをただ受け入れることしか出来ない。

「だから……エルリンには私の……か、加護をあげるわ。
 ……じっと……しててね?」

 照れる様な素振りで加護を与えると言った彼女は、一歩、二歩とゆっくり近づくと、羞じらいながらもそっと俺に口付けをした。
 一瞬触れた柔らかく暖かなそれは、全身の血流を一気に駆け巡らせるような感覚を与え、心臓は張り裂けそうなほどドキドキしている。

「キャー! しちゃった! しちゃった!」

 すぐに俺から離れた彼女は、両手で口を隠し、ピョンピョンと飛び跳ねている。恥ずかしさの中に嬉しさが混じったような表情は、俺の心を惹き付けてやまない。
 彼女は一頻り興奮した様子を見せると、空気を変えるかのように咳をして、また話しかけてきた。

「えーっと……そういう事で、私、エルリンの事ずーーっと待ってるから、早く迎えにきてよね!
 それじゃあ、またねぇ! バイバーイ!」

「……という夢をみたんだが」

「ハァ…………兄さん……またですか……」

 いつもより早く目覚めた俺は、興奮冷めやらぬ自らを落ち着けると、朝練に向かう前のヴォルクに対して朧げな記憶を頼って大雑把に夢の内容を語ったのだが、溜息をつかれ呆れられるばかりだった。前科があるためだろうか。

「いや、今回の夢はなんかちょっと違う気がするんだけどなぁ」

「僕には兄さんの欲望が溢れ出ただけにしか思えないですよ……」

 ヴォルクはじとっとした目で胡散臭そうに俺を見てくる。いつもアホな事ばかり言ってる俺が悪いのは分かるのだが、地味に傷つくから止めて欲しいものだ。

「だって何ていうかさー、あのー、あれだ。ほら、加護を与� ��るって言ってたし! ってことは相手は神様かなんかじゃないの?」


pleasureorの痛み

 夢の中で言われた言葉に尤もらしい理由をこじつけて話すと、急にヴォルクは黙り込んでしまった。

「………………加護……もしかして!
 兄さん、兄さんの目で自分自身を見てみて下さいよ! そういえば、僕が加護を授かった時もユーディル様が夢に出て来ました。すっかり忘れてましたけど」

 今更だが、真理の眼の事はとっくにヴォルクにも伝えてある。その際ヴォルクに関しては、ユーディルの加護はちゃんとあるが、他は秘密だと言っておいた。本当の事を伝えても碌な事にはならない気がしたからだ。

「なるほど。よし、見てみるか」

 俺はヴォルクの言葉に従い、自らの手に目をやり、瞳孔をくわっと開いた。

 --------------------
 人間:人族
 性別:♂
 固有名:エルザム・ラインフォード
 職業:冒険者
 年齢:15
 状態:健康
 才能:体術Lv1、魔法Lv3、空属性適正、幸運
 特殊能力:真理の眼、完全健康体、ムタンの加護
 --------------------

「おおぉ!
 ムタン様のぉー……加護がぁー……きたぁーー!」

 嬉しくなった俺は、突発的に握った拳を天高く突き上げた。

「やっぱり! すごいですよ、兄さん! いやらしい夢ばかり見てた訳じゃないんですね」

 こそっと失礼な事を言っているが、浮かれている俺はそんな事は気にしない。なんといっても愛の女神の加護を得られたのだからっ!

 <ムタンの加護>
 分類:特殊能力
 愛の女神ムタンより与えられし加護。
 あなたは常に彼女の愛に包まれているだろう。
 二人を邪魔するものは神の雷に裁かれる。
 よっ、幸せ者。

 おお! 何々~、マジで俺愛されちゃった訳!? マジでかっ! きたね! きたよ! 我が世の春が来たぁぁ!!
 しかも邪魔者はやっつけちゃってくれるなんて、まさに無敵! 今俺は希望に満ち溢れているぅっ!
 これは一刻も早く迎えに行かねば! 待っててくれよ、ムーちゃん!

「フッ、ヴォルク……どうやら俺はムーちゃんに会いに行かなければならないようだ……」

 前髪をかきあげ、努めて冷静に言葉を発するが、未だ心の内の乱れようは尋常ではない。
 ただでさえ、おかしな夢を見て精神的に不安定になっていたのだ。例えるなら何とも思っていなかった芸能人が夢に出てきて好きになってしまった時の様に。
 そんな所に美の結晶とも言われる女神からの愛してる宣言。おかしくなっても仕方が無い。だって凡人だもの。

「ム、ムーちゃんって…………。あー、でも……どこにいるんでしょうか?」

「あっ! …………図書館で調べてみるわ」

 確かにその通りだ。会えなければ意味がない。まさか夢でだけ会えるって訳じゃないよな? 迎えに来てって言ってたし。でももしそうだとしたら生き地獄だ。本人は悶々とするだけで、傍から見れば夢でハァハァしている只の変態野郎である。それだけは勘弁願いたい。

「ハッ! 呼ッ! ダッ! キャオラッ! …………ふぅ……」

 ヴォルクを見送った俺は、一人自室でオルレス流体術の型を繰り返していた。先程の浮かれた気持ちを落ち着けるために。
 その選択は功を奏し、昂ぶる感情を拳に乗せて発散することで、いくらか冷静になってきた。

 大分気持ちも落ち着いてきたから、改めて考え直そう。流石にムーちゃんと呼ぶのは調子に乗りすぎていた。なんかしっくりくるから変えないけど。
 まず、どうしてムーちゃんが俺なんかを気に入ったかだが……夢では詩が心に響いたみたいな事を言っていたはず。しかし、そんな凄い詩など詠んだ記憶は無い。むしろムーちゃんについて話した事だって、昨日サルと喋ってる時にちょっ……あっ!! まさかあれか?!

―――― 一度でいいから見てみたい、女神がおへそを隠すとこ。エルザムです…… ――――


痛みのmpgのリストの男性

 あれしか思い当たる節は無いが、一体あれのどこが心に響くんだ? 神様は感性が違うのか? それとも歌○師匠はやっぱ凄いってことか? …………うーん、分からん。というか、これ以上考えても無駄だな。とりあえず、歌○師匠には感謝の意を示しておこう。

 次は加護の効果だ。解説によると愛に包まれるらしいが、現状なんの変化もないし愛等という抽象的な表現の為、これもよく分からない。邪魔者への裁きも同様だ。こちらは幾分具体的だが、何をもって邪魔者となるのか分からない。まあ、検証のしようはあるからまだマシだろう。ということで、要検証だな。

 そして最後はムーちゃん自身について。クールな綺麗系というよりは愛嬌� ��ある可愛い系だったのだが、美の結晶と言われるだけあり、その美貌は筆舌に尽くしがたい。つまり超可愛い。恥ずかしがりやな所もグッときた。さらには、絶妙なふくよかさを感じさせつつスラッと伸びる手足に、無駄の感じられない腰周りと大き過ぎない胸。これらは俺の心を奪うのに僅かもかからなかった。正直ドストライクだった。夢の中で体を動かせていたら、土下座をしていたかもしれない。
 しかし! しかしだ! あの虎柄のビキニとブーツ……角が無かったり髪の色が異なったりと、微妙に違うから突っ込みづらいが、色々な意味で不安になる。
 大体こんな都合のいい話があるのだろうか? 俺だぞ? 何か大きな落とし穴がある気がしてならない。致命的で、取り返しのつかないなにか……。

「兄貴ー。おはよーございまーす」

 ん? もうそんな時間か……。

 時刻は午前9時40分。
 あの後、俺はサルと共に朝食を取り、自室で図書館が開くのを今か今かと待ち続けていた。

「サル、そろそろ行こうか。今日は今までに無い大仕事になるだろう。覚悟しておけ」

「勿論っす! 指一本でも動く限り、探し続けるっすよ!」

 サルには今日は仕事ではなく図書館で重要な探し物をするという事しかまだ伝えていない。それなのに、これだけやる気を出してくれるというのは、本当にありがたい。

 出発のタイミングはバッチリだったようで、やる気を漲らせたサルを引き連れ図書館に着くと、ちょうど開館したところだった。

「よし、さっそく探すか。目標はムタン様に関する記述があると思われる本全てだ! 散れっ!」

「了解っす!」

 俺の気合の入った指令に背を正したサルは� ��ビシッと返事をして真直ぐ二階へと駆け上がって行った。その後姿は非常に頼もしいが、図書館内で走ってはいけない。……ほらみろ、怒られた。

 そんなサルの姿を見た俺は一階の神様関連の本があるコーナーへと向かった。逸る気持ちを抑えてゆっくり歩きながら。

 …………ない。大体10冊程七神について書かれた本を読んだが、ムーちゃんの居場所についてはどこにも書かれていない。そもそも、ムーちゃんの姿を見た人間の記録すらない。美しい女神であると伝わっているのは、商売の神チキ様から伝え聞いた事だったようだ。ならばそのチキ様に居場所を聞けばいいと思ったのだが、どうやら一所に留まっている訳ではないらしく、滅多に会えないようだ。今読んだ本の中に書かれていた最も新しい記録ですら1 00年以上前の事である。この線はとても現実的ではない。
 ならば他の神を探せばとも思ったが、居場所は書かれていなかった。もっと探す必要があるのかもしれない。

――ドサッ

 音に反応し、目をやると机の横に数冊の本が置かれていた。サルが持って来てくれたのだろう。集中していて気付かなかったようだ。

「兄貴ぃー、いつになく真剣な表情だったんで、勢いとノリでこうして探してますが……どうしたんすか? 急にムタン様について調べるなんて」

 俺の隣の椅子に腰掛けたサルは、当然抱くだろう疑問をようやく投げかけてきた。空気を読んで、今まで黙って従ってくれていたのだろう。気の利く奴だ。


昏睡を歩く

「…………笑うなよ? 馬鹿にするなよ?
 信じないかもしれないが、今日ムーちゃん……つまりムタン様が夢に出てきて、俺を旦那にするから迎えに来いって言ったんだよ。そんで加護も授かった」

「……兄貴、それはいくらなんでも無理があるっすよ……。笑えない所か、哀しくなってくるっす」

 サルはその言葉通り、哀れみの目を俺に向けている。しかし、俺はそれを不快に感じる事は無い。立場が逆だったら同じ様な目を向けるだろうから。

「だろうね。だけど、夢の内容は置いておくとしても、加護については事実だ。
 サルには話してなかったが、俺の目は特別製でね。物の情報をある程度読み取れるんだよ。ここにある本や机、あそこの植物だって。勿論人間も……。人間なら種族や名前や性別に年齢、その人の才能や特殊な能力まで分かる」

「これまたぶっ飛んだ話っすね?! 本当っすか?
 ……あ! じゃあ、この本はなんだか分かりますか?」

 そういってサルが手にしたのは、先程持ってきたばかりの本である。俺から見えるその本の裏表紙には何も書かれていない。当ててみろってことだろう。

「俺の瞳孔がガッツリ開いて気持ち悪いが吃驚するなよ。
 ……見えるぞ! 私にはそれが見えるっ! それは……暇を持て余した神々の悪戯」

「おお! 当たりっす! うーん、じゃあ次は……あそこで本を読んでる親父っす。分かるっすか?」

 さらに俺を試そうとしているサルは本棚の前で本を立ち読みしている男性を指差している。

「人族の男性、51歳。ホルダーさん」

 俺の言葉を聞いたサルは席を立つと、面白そうな顔をして件の男性の下へと向かって行った。確認しに行ったのだろう。積極的な奴である。俺だったらあんなにグイグイ話しかけにいけない。奥ゆかしいからね。

「ただいまっす。いやぁ、兄貴の言った通りだったっすよ! 念のため兄貴の事を知ってるか聞いてみましたが、知らないって言ってましたし! どうやら本当っぽいですね。 凄いっす!
 あ! あの呪いの剣もそれで分かったんすねぇ。
 そうだ! 俺っちはどうなってるんすか? 才能とかも分かるんすよね?」

 俺の目の事を信じたサルは、興味津々といった様子で、自分の事を聞いてきた。自分の才能の有無が分かるかもしれないのだ。聞いてくるのは当然だろう。

「……まあいいか。サルもそこそこの歳だし、教えてやるよ。
 お前には大きく分けて二つの才能がある。魔法に関する才能と<口達者>っていう才能だ」

「おお! 確かに、口から生まれてきた様な奴だってよく言われますが、本当だったんすねぇ。
 それに魔法の才能があるなんてっ! 俺っち頑張るっすよ!」

 サルは多少勘違いしているようだが、本当の事を言う必要は無いだろう。ただ魔法を使うことができるレベルで、頑張ってもそこそこだよ、なんて言われたらやる気を無くしかねない。

「まあ頑張ってくれ。
 んで、話が逸れたが、それで加護を授かったって事が分かったってわけなんだよ。
 ちなみに、これはあいつが自分で言ってたことだから教えるが、ヴォルクもユーディル様の加護を持っている」

「ほ、本当っすか!? しかもユーディル様の……まるで加護のバーゲンセールっすね! そのヴォルクの兄貴は他にも才能があるんすか?」

「あるにはあるが……秘密だ。ヴォルクにもそう言ってある」

 若い内から限界や天井を知ってほしくないと思うし、才能があるからと増長されても困る。今のヴォルクを見る限りは大丈夫な気もするが、何がどんな影響を与えるかなんて俺のような凡人には分からない。

「なるほど……流石兄貴っす! 俺っちには分からないっすが、深い考えがあるんすね。
 よし、じゃあ兄貴の夢の事も信じて、探すっすよー!」

「ダメだ……どこにも無い……」

「兄貴ぃー、もう無理っすよ……今日の所は帰りましょうよ。もう外は真っ暗っすよー」


 眉間を摘み疲れた目をほぐす俺の横では、だらしなく机に突っ伏しているサルの姿がある。昼食も取らずにずっと図書館に篭っていたのだから当然といえば当然か。
 あの後、歴史から童話まで可能性のありそうな様々な本を読み漁り続けたが、ムーちゃんに関する決定的な情報を得ることは出来なかった。

「……そうだな。この図書館だけでは限界なのかもしれないし、そろそろ帰るか」

「はいっす!」

 帰るとなった途端に、元気になりシャキッと立ち上がった現金なサルを呆れて見ていると、後ろから声をかけられた。その声はとても涼やかで落ち着きがある。どことなく聞き覚えのある声に振り返ると、調べ物をしに来た時に何度か話をした事のある司書のお姉さんが立っていた。

「もうお帰りですか? 今日はいつにも増して一生懸命に本を読まれていたようですが」

「ええ、そうですね。ちょっと神様について調べていたんですが、どうも目的の情報は得られそう になくて……」

「そうでしたか……申し訳ありません。
 この図書館はランドベック伯爵のお陰でかなりの本が収蔵されていますが、それでも帝国中の本があるわけではないですからね。
 これに懲りず、またいらしてくださいね」

 申し訳無さそうに話し始めた司書のお姉さんは、ニッコリと微笑むと一礼して去っていった。

「ちょっとちょっと兄貴! なんすか今のかわいこちゃんは? あんな素晴らしいお知り合いがいるのを、俺っちに黙ってたんすか?!」

 彼女の姿が見えなくなると、サルが興奮して問い詰めてきたが、その気持ちも分からなくはない。
 右肩当たりで一つに結われた黒い髪、やや垂れ目のおっとりとした茶色い目、着痩せしているのが一目でわかる程自己主張している胸。そんな彼女の事を、俺も前から可愛いと思っていたのだ。
 しかし、こちらから積極的に近づくことはせず、さりげない笑顔で挨拶をする位に留めておいた。なぜなら挨拶や業務的な話しかした事はないが、凄く真面目でおとなしい印象を受け、ガツガツと近づいたら疎まれるような気がしたからだ。……チキンだからでは無いはず。
 その彼女が今日話しかけてきた。これは地味に一歩前進したという事か。流れが来ているという事か。

「いやいや落ち着けって。彼女はここの司書さんで、知り合いって程でもないよ。名前だって知らないんだから。
 まあ、サルが言うように、ほのぼのとした雰囲気が漂ってて確かに可愛いんががががががががガガガガガガガガガガガガガガガッ!!」

「あ、兄貴!? 兄貴ぃ!!」

 突如刺さるような痛みと痺れが俺の全身を襲った。その正体は分からないが、とにかく全身が痺れまくった。絶叫し、ガクガクと痙攣するほどに。まさに全身に稲妻が走るとはこの事か。突然の事態に戸惑っているサルが俺に向かって何か叫んでいるが、俺はまるで聞き取れない。
 人も少なくなり静かだった図書館内には叫び声が響き渡り、その声を聞いた人達が一人二人と駆けつけてくるが、当の俺はそんな事を気にしている余裕等無かった。床に蹲り相変わらず続く強烈な痛みと痺れに情けない程の声をあげ、涙と鼻水を垂れ流していた。

「あばばばばばバババババババーーッッ!!」



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